■化粧品の定義 |
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●「<人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの>であって、化粧石けん、歯磨を除いたものをいう」(薬事法第2条第3項)
●<清潔にする>のに用いるのが洗顔やクレンジングなど洗浄用化粧品、<美化し魅力を増し、容貌を変える>のが口紅、おしろい、ファンデーションなどのメークアップ(仕上げ用)化粧品やオーデコロン、香水といったフレグランス化粧品、<皮膚や毛髪をすこやかに保つ>のが基礎化粧品とシャンプー、リンスなどの頭髪用化粧品。日焼け止め、ひげそり用化粧品などの特殊用途化粧品もこれに該当するものと思われます。
■化粧品販売店の数と売上高 |
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商店数・年間販売額(1999年)
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業 種
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商店数(店)
伸び率(%)
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売 上 高
(百万円)
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化粧品店 |
24,008
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1,385,215
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97年調査比 |
83.7%
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92.4%
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薬局薬店 |
60,130
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3,883,697
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97年調査比 |
107.1%
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113.9%
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C V S |
39,627
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6,134,600
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97年調査比 |
101.5%
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109.3%
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百貨店 |
395
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9,708,704
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97年調査比 |
81.1%
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89.5%
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スーパー |
36,978
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32,571,757
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97年調査比 |
108.4%
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107.2%
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小売業合計 |
1,406,905
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143,846,186
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97年調査比 |
92.5%
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92.0%
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・資料は1999年の経済産業省(前通商産業省)の商業統計
・スーパーには250平方メートル以下の専門スーパーも含みます
・CVSはコンビニエンスストア
■株式公開企業 |
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上場している化粧品メーカー
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東京市場第1部 |
[制度品] ・資生堂 ・カネボウ ・コーセー
[業務用] ・ミルボン
[通 販] ・ファンケル
[原 料] ・高砂香料 |
東京市場第2部 |
[一般品] ・マンダム
[原 料] ・長谷川香料 |
店頭(ジャスダック)市場 |
[訪
販] ・エイボンプロダクツ ・ノエビア ・アイビー化粧品
[原 料] ・日本色材工業研究所 ・曽田香料 |
ブランドを販売するための知識と技術を習得したうえで、カウンセリング販売と顧客管理などが十分できる化粧品小売店(一部薬局・薬店を含む)が契約できます。こうしたブランドには資生堂の「ベネフィーク」「キオラ」、カネボウの「トワニー」、コーセーの「プレディア」、アルビオンの「イグニス」などがあります。こうしたブランドはテレビや雑誌などを使ったマス宣伝がないうえ、小売店の販売力によるところが大きいため、店、ブランドによって売り上げの差が大きくなっています。
英語で「化粧」「身づくろい」「化粧道具」などを意味する「Toilet」(トイレット)から派生した用語で、広く「化粧品類」のことを指しますが、化粧品業界では、基礎化粧品、メークアップ化粧品、フレグランスなどを「化粧品」、それ以外の化粧石けん、シャンプー、リンス、ひげそり用化粧品、歯磨き、口中清涼剤(マウスウォッシュ)などをトイレタリーと称して化粧品とは区別しています。
制度品メーカーが百貨店のみで販売するために開発した商品(ブランド)のことで、資生堂の「イプサ」、カネボウの子会社エキップの「RMK
RUMIKO(ルミコ)」「CHIC CHOC(シック・ショック)」、コーセーの「カルテ」「アウェイク」「ロラック」「ヴィンセントロンゴ」、花王の「est(エスト)」、アルビオンの「アナ・スイ」などがあります。
販売員が商品を直接、消費者に手渡す販売方法で、制度品メーカーが小売店との間で結んでいる販売契約で義務付けられています。販売員が化粧品を販売する都度、消費者の肌の状態をチェックできるため不必要なトラブルを未然に防ぐという消費者サービスの狙いがあります。つまり小売店には自店の商品であっても横流し(卸行為)はできないようになっています。
メーカーがこうした行為を行った店に対して商品の出荷を停止して訴訟になったケースがありましたが、争点は対面販売を義務付けた契約の有効性で、最高裁ではこうした契約は有効という最終判決を下しています。
一方で販売の方法は多様化、新しい手段も登場しています。こうした対面販売の義務付けではインターネットを通じた販売もできないという状態では、成長の可能性も閉ざすことになる、という声も出ています。対面販売が義務付けられた商品の方が知名度が高く販売しやすいわけで、メーカー自らが通信販売専用の商品を販売しているというおかしな現象も起こっていますから、新しい契約なり商品、売り方の提案を求める声がたくさんあります。
メーカーが百貨店や化粧品小売店に派遣する社員(パート)のこと。自社の商品や美容情報に関する知識や美容の技術を一定の期間に習得したうえで、店頭に派遣されます。そこで消費者に商品選択や使用方法などをアドバイスします。また、自社の商品や季節の美容情報を提供しながらを推奨することもありますが、これが強引になる美容部員もいるようで、むしろ美容部員がいない店やタイミングを計る消費者もいるようです。
美容部員を派遣する基準はメーカーによってまちまちですが、集客力の高い百貨店やスーパー、有力小売店には常駐しています。一般の小売店にはほとんど派遣されないケースもありますが、こうした店でも大きなイベントがるときなどはメーカーによっては派遣することがあります。 |
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【化粧品業界で使われる主な用語】
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アウトオブブランド |
カウンセリング |
外国品(ブランド) |
CVS専用商品 |
コスメティックス |
再 販 |
コンサルティング販売 |
セルフ販売 |
百貨店専用商品 |
専門店専用商品 |
対面販売 |
全成分表示 |
美容部員 |
トリレタリー |
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商品名にメーカー名を表示しないブランドのこと。制度品メーカーに多く見られます。資生堂の「ディシラ」「アユーラ」「イプサ」、カネボウの「リサージ」「トワニー」、コーセーの「アウェイク」、ポーラ化粧品本舗の「オルビス」などがこうしたブランドといえます。消費者の化粧品に対する知識の高まりやニーズ、購入場所の多様化によって、既存のブランドではとらえ切れない顧客を引きつけるためメーカー側が対応して生まれたものです。
また、従来の販売店とのバッティングを避けるねらいもありますが、反面、宣伝広告を大量に投入するだけの規模に至っていないこともあって、一部を除いて成功とはいえないブランドもあるようです。
本社が日本以外にあるメーカーが日本国内に法人を設立したりまたは代理店を設けて化粧品業界に参入しているメーカー(ブランド)、さらに日本のメーカーが輸入販売しているブランドのことで、米国やフランスのメーカーが中心です。
これらのメーカーのうち制度品方式をとっているのはマックスファクター、レブロンで、訪問販売(ネットワーク販売)方式ではエイボンプロダクツ、日本アムウェイ、ニュースキンなど(いずれも本社は米国)、一般品メーカーでは日本ロレアル(フランス)、ウエラジャパン(ドイツ)、日本リーバ(英国)など。さらにエスティ・ローダーグループ(米国、クリニークなど)、ロレアルグループ(ランコム、ヘレナ・ルビンスタイン、ビオテルムなど)、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループ(フランス、ジバンシイ、クリスチャン・ディオール、ベネフィットなど)、シャネル(フランス)など主に百貨店販売されているものやを指します。
消費者に対して、それぞれのメーカーの商品情報を提供する一方、肌質や好みに合った化粧品を選ぶ手助けをしたり、さらに正しい使用方法や肌の手入れの仕方を教えながら商品を販売すること。制度品メーカーの高級品を販売する際には欠かせない販売方法といわれています。
基礎化粧品(スキンケア)、仕上げ用化粧品(メークアップ)、香水・オーデコロン(フレグランス)、頭髪用化粧品(ヘアトニックなど男性化粧品)のことを指して、頭髪用化粧品でもシャンプー・リンス、化粧石けん、ひげそり用化粧品、浴用化粧品などはトイレタリーとして化粧品とは区別しています。
カウンセリング販売と同じ意味で使われます。
各メーカーコンビニエンスストアのみで販売するためにが製造した商品のこと。一店一店のコンビニエンスストアの化粧品の売り上げは小さいものですが、数が多いことと消費者のライフスタイル、購買パターンの変化によって無視できない流通経路であることから専用商品まで開発するようになったものです。この流通専用の商品(ブランド)には「化粧惑星」「C/O(シー・オー)」(資生堂の子会社のオービット)「イットビー」「スウィッチ」「フレッシェル」(カネボウ)「ミチコロンドン」(マンダム)「パラデゥ」(ピアスの子会社のケセランパサラン)「DHCプチ」(ディーエイチシー)などがあります。
メーカーが卸売業者や小売店に販売(再販売)する価格を指示し、守らせることを指します。こうした行為を再販売価格維持行為は独占禁止法で不公正な取引方法として禁止されています。化粧品は乱売合戦で倒産、廃業が相次いだことから1953年(昭和28年)に設けられた独占禁止法の適用除外制度に化粧品が指定されました。小売店の系列化を図っていた制度品メーカーに最も効果をもたらしたとされています。その後、再販制度に対する批判が高まり2度(74年、93年)の見直し(縮小)を経て96年4月に新聞、書籍を除いてこの制度の適用はなくなりました。
消費者が自らの判断で自由に購入できる販売方式(商品)のことで低価格品が多い。スーパーやコンビニエンスストアで販売されてきた一般品やトイレタリー商品は、ほとんどこうした販売方式です。しかし、メーカーの美容部員が派遣されているところでは、そのメーカーのセルフ商品であれば説明に応じてくれることがありますが、一般的には教育を受けて化粧品の知識がある人がいないため、説明をしてくれるかのせいはあまりありません。
セルフ販売商品は、集客力や利便性が高いスーパー、ドラッグストア、コンビニエンスストアなどの売り上げが大きくなります。また、低価格でも品質が高く、しかもメーカーが広告宣伝を積極的に行うため人気が高くなっています。こうしたことから制度品、訪問販売メーカーも別会社方式で積極的に取り組んでいます。一方、専門店といわれる化粧品店などは、セルフ商品は利益額が少ないことや価格競争があることなどから、こうした商品に対してはあまり積極的ではありません。
化粧品小売店は零細な事業者が多いうえ、販売方法はコストのかかるカウンセリングを中心にしているといわれています。制度品はこうした小売店が中心になって販売してきましたが、異業種の制度品の取り扱い率の向上で競争が激しくなっていることから、これまでの知識と技術をさらに高めて、初期の制度品のような新たなブランドを育てもらおうと開発されたものです。
医薬部外品を除く化粧品に配合されているそれぞれの成分すべての表示することが2001年(平成13年)3月31日(以降、新しく製造するものについて)から欧米のように義務付けられました(既存品を製造または輸入する場合は2003年9月30日までは従来通り)。それまでは薬事法で指定されている成分(指定成分)のみ表示が義務付けられていましたが、表示の幅が広がりました。消費者の成分に対する理解とトラブルの際の特定の迅速化を狙ったものです。
なお、併せて品目毎の事前許可制を廃止するなど製造や輸入に対する規制も緩和されました。化粧品に配合されている成分は多岐にわたっており、さらに名称が化学的で一般には理解しにくいことから、定着するのか、定着してもかなりの時間を要することになりそうです。なお、メーカーの団体である日本化粧品工業連合会が成分の国際的な名称を統一基準を作成しており、メーカーはこれに沿って表示しています。 |
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